マルセイユ・タロットがあらわす「魂の旅」

タロットの大アルカナって、そもそもに、一体何を表している絵柄なのでしょう? 諸説があることではありますが、今回はここにフランスの伝統、マルセイユ・タロット22枚のアルカナがあらわす「魂の旅」を紹介いたします。

マルセイユ・タロットは、わたしたちの魂を呼び覚ますための道具であるとされています。肉体は魂のデバイスであり、日常のルーティンの中でのたうち、私たちが「私」と呼ぶ抽象概念を具体化しようとするため、しばしば機能不全になるのです。そんな中で、私たちがどこから来て、どこへ行こうとしているのかを教えてくれるのが22枚の大アルカナなのです。(ノブレのマルセイユ・タロット解説書より)

 

マルセイユ・タロットでは、「愚者」を「魂の擬人像」と考えられています。タロットを手にするとき、あなたはあなたの身体を抜け出して「魂」となり、あなたの人生の旅を俯瞰(ふかん)して観ています。魂とは何でしょう? 魂とは、私たちが輪廻転生を繰り返しながら持ち続けている肉体という入れ物の中の内容物です。心(マインド)や精神(スピリット)が今生のものであるのに対して、魂は不滅です。魂とは、言うなれば前世のあなた、来世のあなた、不死身のあなたなのです。

それでは「魔術師」から見てまいりましょう。

 

魔術師=あなたの存在=ひとりの人間

今そこに居るあなた。この活字・テキストを読むことができるあなた。ひとりの「人間」としてのあなた、ここが大切です。あまり感情的にならないことが大切です。理性的に頭を使って、判断することなのでしょう。

                                      

高位の女司祭長=あなたの乳母=生まれ育った環境

育った環境やしつけが人間形成における重要素で、古いヨーロッパ社会では乳母が担う役割でした。日本では「三つ子の魂百まで」。記憶に薄くも濃くもある、幼いあなたにある「すり込み」、ここにカギがあります。                                       

 

女帝=あなたの母=あなたの女性性

次に重要なあなたのお母さん。その胎内で あなたはすでに10 か月の時間を過ごしています。あなたが出会う最初の女性でもあり、あなたの中に育まれる女性的な一面でもあります。          

 

皇帝=あなたの父=あなたの男性性

母親ひとりで、あなたを成し得ませんでした。子に対する影響力は父親のそれも同等です。この世においてあなたが出会う最初の男性、あなたの中に育まれる男性的な側面です。

                                      

教皇=社会的なあなた

人間は社会的な生き物だと言われています。あなたどういう家庭に生まれ、どこに住まうかで所属する社会が決まります。あなたには家の中の顔と外の顔ができあがっていきます。あなたの家族か、もしくは「よそ行きのあなた」がカギをにぎっています。

                                         

愛=恋するあなた

学校にあがる時分になると、人生の大きなイベント「初恋」がおとずれます。初恋のパッションは、その後の人生を左右する体験だと語られています。そして人は、大人になっても、いくつになっても、色々なものに恋焦がれ、魅了されていきます。なかなか自己コントロールがきかないのがタマニキズですね。

 

戦車=旅立つあなた

いよいよ巣立ちのときです。それはすなわち、親に従わず、自分の意のままに行動すること。子どもは自分の世界を求めて旅立つのです。むこうみずな反抗という出方もあるでしょう。

 

正義=きびしい決断をするあなた

向こう見ずな冒険の中で、冒険も行き過ぎれば社会の中で争いを生むだろうと、あなたはルールを求めます。それは誰にも平等に適用されるべき、公正なものでなければならないし、刑罰をともなってはじめて重んじられるでしょう。自他共にきわめてきびしい判断をせねばなりません。   

 

隠者=世捨て人のあなた

とはいえ法律でさえも役にたたないことがあり、一筋縄でいかないこの世のしがらみに、あなたはしばし俗世に背を向けます。心頭滅却すれば火もまた涼しと、孤独な修道の道に入っていきます。

                                         

運命の輪=魔女狩りに会うあなた

何の罪もないただの旅人のはずが、突然、魔女狩りに会うあなた。証明しようにもできないのがやっていない罪。世間にさらされ、批判の対象になりますが、もはやもらい事故。あわよくばチャンスに変えてしまうことでしょう。ピンチにあって最大のチャンスがここにあります。   

 

力=精神力で立ち向かうあなた

世の中の不条理に直面し、ヤケになり人生を放棄したくなるあなたですが、それはしょせん己に負けるということなのでしょう。ここで負けるわけにはいかないと、人生の難所にあって、最大の敵は己自身であると、あなたは悟るのです。                      

 

吊るされた男=抵抗しないあなた

一方で、もはや抵抗いたしませんと、煮るなり焼くなり好きにしたらよいと、正々堂々と吊るされるあなたがここに居ます。何もせずに努力を放棄したように見せかけて、実はタイミングを待つという手もあるのです。   

 

死=命を落とすあなた

そして一度死んでみるのもまたひとつの手。肉体は消滅しても、あなたが存在していた事実が大地を肥やします。それはもう黒々とした肥沃な土壌のごとく、地層となってすでにこの世の何らかの影響を与えています。あなた自身もその土から再び発芽し、生まれ出ればよいのです。

 

                                         

節制=超人的なあなた

おだやかな春の日にふと気づく小さな緑の芽吹きのように、新しく息吹を与えられているあなた。人並以上の力を宿した存在と化し、多くの問題を解決に導くことができるようです。あなたの天使の技が、人をいやし、ものごとを調和させるのです。    

 

悪魔=あなたの動物的な力

それでもどこまでいってもあなたは人間。しょせんは動物。生まれ変わろうが、成長しようが、その都度動物的な力に気づきます。時には動物であることを思い出し、その力を解き放ち、よい方向で役に立てることでしょう。                                       

 

神の家=あなたの家

人として成熟したあなたは人生のパートナーと共にひとつ屋根の下に暮らそうとします。家を得ること、建てることは、誰にとっても人生の一大事。住まいを維持するのは重労働、ときに解体と再構築もよぎなくされます。                                       

 

星=あなたの精神の夜明け

紆余曲折する中で、磨かれ、輝きを放つあなたの精神。人生という旅路において、ようやくあなたは、あなたの内面の光を放つことができました。玉虫色に光るそれはまるで芸術作品のようです。          

 

月=あなたの無意識

心の上澄みが精神なら、心の根底は泥沼。暗い粘着質のその波に、あなた自身でさえ、理解できずに恐怖におびえるでしょう。それでも、自分の無意識の声により耳を傾けて。幸せは心で感じるものだから、あなたの心はあなたの中に。自分を幸せにすることは、自分にしかできないのです。          

 

太陽=新しい仲間

あなたはひとりじゃない、みんな同じ人間なのです。人と手をつなぎ、分かち合い、助け合うことを忘れないで。あなたは誰かのために存在しているし、また他者もあなたのために存在しています。人はひとりでは幸せにはなれないものです。               

 

審判=あなたの生まれ変わり

がんばって、努力して、生き続けてきたあなた。あなたがそうまでしてやってきたこと、そうして生み出せたものが重要です。人が残せるものは子どもばかりではありません。あなたがこの世に残せるものすべてが、あなたの生まれ変わりなのです。    

 

世界=あなたの世界

気がつけば、あなたの魂は楽園入りを果たしました。そこはもはや年齢性別国境など何も関係しない永遠の楽園です。そこであなたはまた何を目指したいですか? 自由に、魂のままに、あなたの行き先を見定めて!      

 

以上、「魂の旅」のお話でした。人生に行き詰まったときには、マルセイユ・タロットが語る旅を、あなたの今日明日になぞらえて、今どんなステージにいるのか、乗り切るヒントにしてみましょう☆

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